2012年アカデミー賞5部門を受賞した映画「Artist」のアギーが亡くなった。

名犬ラッシー、フランダースの犬のパトラッシュ、ベンジー、マイドッグ・スキップのスキッパー、オズの魔法使いのトト。忘れられない名演技のわんちゃんたち。

2012年第84回アカデミー賞で最優秀作品賞を含む5部門を受賞した映画「Artist

あの映画に出てくる名犬アギーくんを覚えている方も多いだろう。そのアギーくんが今年の8月に亡くなっていたことがわかりました。
アギーくんは、2011年カンヌ映画祭における「パルムドッグ賞」(Palm Dog Award)や、2012年に「Dog News Daily」が主催した「金の首輪賞」(Golden Collar Award)などを受賞しています。また2012年2月13日には、犬としては初めて「ハリウッド・ウォーク・オブ・フェイム」に、手形を残すという偉業を成し遂げています。

出典:uk.reuters.com
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アギーくんは前立腺に腫瘍ができ、悪化してしまったため安楽死という形をとられたとのこと。

出会いがあったら別れがある。それが嫌だから動物は飼わないという方もいらっしゃいますよね。
もちろん筆者もたくさんの別れを経験してきました。
その時は悲しくて悲しくてどうしようもありません。でも、いつも思うのは、一緒にすごした時間のたわいない出来事を思い出した時の幸せです。

いたずらばかりしてた子供の頃・ベットの足元にそっとのってきた時の重み・呼んだらこないくせに、仕事をしだすとMacのキーボードの上にのってくる・最初からいたくせに、新しい仲間がきたら遠慮してちょっと遠くからこっちを見つめる寂しげな瞳。

思い出してもキリがないくらい、いろいろな場面が蘇ってきます。別れのときの悲しみを忘れたわけではないのに、ふと思い出すのは楽しかったことばかり。

物質が生命のすべてではないと思っています。記憶がなければ、存在していたかどうかもわからない。記憶が積み重なっていく時間のつながりが、私たちの存在を表すすべてなのではないかと。

飼い主のミュエラーさんは「私は一生アギーのことを忘れません。チキンとホットドックが大好きな子でした」と語っているとの事。
ほら、ここにもひとつ、素敵な記憶ががはっきりとした形となって繋がっていく。
アギー、みんな覚えてるよ。君の事。

アギーは、2012年の暮れには動物愛護団体「PETA」のスポークスドッグとなり、捨て犬の養子縁組を促進させることに貢献もしていました。もしも、わんちゃんやねこちゃんを飼ってみたいなと思っている方、ペットショップに行ってももちろんいいですし、地域の動物保護施設などを訪ねてみるのもいいかもしれませんね。きっと素敵な出会いがあります。

でも、くれぐれも素敵な出会いをした時の気持ちを忘れずに、最後まで一緒に過ごしてあげてくださいね。

福岡県動物愛護センター